1.歩道空間の整備について
松本佑介:質問
交通安全対策事業において、現在着手されている事業の進捗状況と今後の予定について、お聞かせください。
土木部長:答弁
現在、枚方市では、交通安全対策事業として、枚方市子どもの交通安全プログラムなどに基づき、安全、安心な歩行空間の確保を行うために、令和4年度から2か年で菊丘町の菊丘交差点付近の通学路、市道枚方新香里線、延長約140メートルの歩道拡幅の整備を進めており、6月末の完成に向けて、現在施工を進めております。
また、今年度からは、新たに北中振1丁目付近の通学路、市道中振新香里線、延長約500メートルの区間において、公共用地の活用を優先した歩道拡幅の予備設計に着手しており、令和6年度以降において、詳細設計及び歩行空間の整備ができるように努めている状況です。
加えて、歩行空間の整備については大阪府とも連携した取組を進めており、牧野本町1丁目付近の府道枚方高槻線の大阪歯科大学前においては、本市が用地取得業務を担うなど、交通安全対策事業に取り組んでいるところでございます。
松本佑介:提案・要望
ご質問させていただいた背景としましては、第2期実行計画で歩道の設置延長距離が2キロメートルと非常に少ない状況でしたので疑問に思い、御質問させていただきました。
こちらはKPIの設定が非常に難しい事業であるとは存じ上げてはいるのですけれども、これを市民の方が実際に見て、効果、もしくは、これからどういう風なまちづくりになっているのかと未来を予想するためには、KPIとして適切だったのかどうかというのは、また改めて御検討していただく必要はあるのかなと思っております。
ただ、今回のこの御答弁をお聞きしていたり、あと事前のヒアリングをお受けしていたりするときに、担当課の御説明をお聞きしていますと、非常に苦しい制約がある中でも前向きに様々なアイデアを出して進めていただいているというのは私は強く感じましたので、もしこれを推進していく上でもっともっと費用が必要だということであれば、国費の確保ですとか、もし人員が足りないというのであれば職員の適正な配置等々も御検討いただきつつ、前に進めていっていただきたいと思います。
あと、今回のこの歩道について私が興味を持ったきっかけは、子育て環境というところについても、その切り口で興味を持ったため御質問させていただきました。
今、枚方市のまちづくりにおいて子育て世代に選ばれるまちというものを推進していくということであれば、基本的に子育て施策というのは子ども未来部になるかもしれませんけれども、今の歩道のように実際に子育て世代がどこのまちを選びますかとなったときには、ホームページを見て給付金を1個1個調べて、このまちにしようと選ぶのもあるのかもしれませんけれども、実際にそのまちに足を運んでみて、まちの雰囲気ですとか、安全性、安心というところの観点でまちを選ぶというのも非常によくあることだと思いますので、今回の土木部の歩道という1件を取ってみても、子ども未来部以外の所管業務のところで子育てに関わってくる施策がきっといっぱいあると思いますので、ちょうど今回、来期から第3期実行計画が始まると思いますので、部署の縦割りではなくて、横断的な施策の御検討を全庁的にお願いできればと思います。
2.特定健康診査やがん検診などの受診率向上について
松本佑介:質問
令和4年度のがん検診と特定健康診断の受診率について教えてください。
健康福祉部長:答弁
令和4年度に市が実施いたしましたがん検診の受診率ですが、胃がんにつきましては2.91%、大腸がんは9.09%、肺がん10.24%、乳がん9.52%、子宮頸がん13.33%、前立腺がん9.68%となっております。また、枚方市国民健康保険被保険者の特定健康診査の令和4年度受診率ですが、現時点での暫定値となりますが、33.3%となっております。
いずれの受診率につきましても新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、おおむね令和2年度は受診率が減少しましたが、その後、徐々に増加傾向にありまして、新型コロナウイルス感染拡大前の実績に戻りつつある状況でございます。
松本佑介:質問
受診率についての御説明はしっかり理解できました。では、これまでの受診率の向上の取組について、これも改めて教えてください。
健康福祉部長:答弁
乳がん検診、子宮頸がん検診及び大腸がん検診につきましては、無料クーポン券の発送につきまして、圧着はがきの開封率が封書の開封率よりも高いという行動変容を踏まえ、圧着はがきでの発送に変更いたしました。
また、検診無料クーポン券を発送した後に再勧奨はがきを送付するなど、さらなる受診率向上に向けて取り組んできたところでございます。
特定健康診査につきましては、就労等で平日に医療機関等での受診が難しい方の利便性向上を図るため、保健センターにおいて集団健診として日曜日健診を実施するとともに、令和3年度からは、本来40歳以上が対象となります特定健診につきまして、若年層からの健診受診の習慣化を図ることを目的に、早期介入、保健指導事業として日曜日健診の対象者を30歳代にも拡充し、受診しやすい環境の整備等に努めてまいりました。
さらには、新型コロナウイルス感染症拡大下におきましても、健診の受診場所は感染対策に万全を期していること、また、疾患の早期発見のために定期的に受診することが重要である旨を『広報ひらかた』の特集記事として掲載していただくなど、安心して健診を受診してもらえるよう周知、啓発を図ってきたところでございます。
松本佑介:質問
では、今後さらに受診率を向上させるような取組もあれば追加で教えていただけますでしょうか。
健康福祉部長:答弁
がん検診の受診率向上の取組としましては、働く世代のさらなる受診率向上を図るため、北大阪商工会議所が実施する定期健康診断の場や、健康経営取得に向けた企業への支援等において、市が実施しているがん検診のチラシを配布するなど、検診受診の重要性について啓発を促進してまいります。
また、特定健康診査の受診率の向上につきましては、昨年度、大阪大学が作成したAIツールを活用した受診勧奨はがきを3種類に分類して送付し、現在、その種類ごとの受診動向について分析検証を行っているところでございまして、今年度は、その検証結果を用いて、さらに効果的な受診勧奨を実施するなど、様々な取組により受診率の向上に努めてまいります。
松本佑介:提案・要望
私のところでも、実際に他市で受診率の高い自治体を調べさせていただきました。例えば、大府市に実際にヒアリングしてみたのですけれども、大府市では健康診断、集団検診を公民館でやっているというような御回答がありました。枚方の場合は、公民館というのは生涯学習センターになるのか、いろいろ検討の余地はあると思いますけれども、市民にとって身近で受けやすいところで受診するというのは受診率の向上につながると思いますので、ぜひぜひ御参考にしていただければ幸いです。
あと、人間ドックも他市ではもう少し給付金の割合が多かったりします。無料までいけば理想ではあるのですけれども、財源等々の関係もございますので、例えば、切りのいい年齢、40歳、45歳、50歳等と5年に一度くらいは、できれば無料、無料までいかずとも、もう少し給付金の割合が上がって、例えば、市民の上限負担金が1万円までみたいな形で設定していただくと人間ドックの受診率も上がったりするのかなと思います。
受診率の向上は、将来の医療費の削減にもなると思いますので、こういう前向きな費用の削減案をぜひぜひ実施していただければと思います。
3.枚方の魅力の発信の取組について
松本佑介:質問
イベントをはじめとした枚方市の魅力的なコンテンツの発信をどのような手法で行っているかと、その効果について教えてください。
観光にぎわい部長:答弁
現在、本市で実施するイベントなどにつきましては、公民連携を基本として、民間の活力やノウハウを最大限発揮していただける手法を用いて、イベントの企画から周知、PRまでを行っているところでございます。例えば、淀川河川敷におけるイベントにおきましては、参画団体である民間事業者がこれまで行われてきたPR手法や媒体を活用し、ターゲットに合わせた周知を実施していただいており、あわせて、本市におきましてもSNS等を活用して周知するなど、共に取り組んでいるところでございます。
さらに、本市の魅力的なコンテンツの発信の一つとして取り組んでおります、観光フリーペーパー『ひらいろ』につきましては、民間事業者や枚方文化観光協会と共に編集、発行しており、魅力的な市内店舗を取り上げたグルメ情報や季節に合った周遊コースなど、本市の魅力について、冊子をはじめ、ウェブサイトやインスタグラム等を用いて広く発信しているところでございます。
また、その効果につきましては、読者からも好評を得ている中で、『ひらいろ』に掲載された店舗のコメントにおいては、掲載後に来店者が増加したなどの声を聞いております。さらに、メディア関係の方からは、内容について本市に問合せがあったケースもあり、様々なジャンルの多くの方々に対し、本市の魅力発信ツールとして発信できていると考えております。
松本佑介:提案・要望
今まさに枚方でどんどんと、いろいろなにぎわいイベントが増えてきている状況の中、魅力発信の取組がうまくいっているというのはもう本当に心強い限りです。
まさに、私がまちで歩いていても、いろいろな市民の方からお話を聞く中では、枚方にわざわざ、このお店に行くためによそから来ましたというようなお声を聞くことがあります。こういうお声があるのであれば、今取り組んでおられる『ひらいろ』等々はぴったりマッチすると思いますので、ターゲット、実際に来る方の年代によってアプローチの仕方は変わってくると思いますけれども、もっと予算を獲得して人を呼び込むことができるようになるのであれば、地域活性化にもつながって、このまちの成長、税収アップにもつながっていくことだと思いますので、こちらも前向きな御検討をお願いできれば幸いです。
4.枚方市総合計画に記載されている若者の交流機会の創出に向けた支援について
松本佑介:質問
この質問については、あらかじめ質問の趣旨をお伝えさせていただきます。
この「若者の交流機会の創出に向けた支援」というのは、平成28年に策定された第5次総合計画の基本計画の施策目標19「地域資源を生かし、人々の交流が盛んなまち」の「行政の主な取り組み」として記載されているものになります。
ところが、総合計画を具体化する取組である実行計画を拝見しますと、第1期実行計画、第2期実行計画ともに、これを直接受ける取組が記載されていないように見受けられます。
そこで、この「若者の交流機会の創出に向けた支援」というのは現在どのような状況になっているのか、これを御質問させていただきます。
総合政策部長:答弁
基本計画に掲げる「若者の交流機会の創出に向けた支援」に係る実行計画における取組といたしましては、第1期実行計画では「市内大学連携・交流事業」、第2期実行計画では構成する事務事業として、「学園都市ひらかた推進協議会事務」が関連しております。
また、取組内容としましては、市や市内NPO団体等が実施する事業に対する市内5大学のボランティア活動を通じた連携などがあり、こうした連携事業への大学生への参加と交流を促しております。
松本佑介:提案・要望
恐縮ながら御答弁をお聞きしていますと、「若者の交流機会の創出に向けた支援」というよりは、総合計画の、その1行下に書いてある「大学による生涯学習講座や小学生対象の学習体験の実施など市内大学との連携・交流の促進」というところに合致する施策を御説明していただいているように聞こえました。
これも平成28年に策定された計画でございますので、今後、第3期実行計画を策定していただく際には、基本計画で上げているもの、基本施策として上げているものについては、きっちりと実行計画にひもづけられて推進していける体制を整えていただければ幸いです。
なお、肝心の若者の交流機会の創出に向けた支援についてですが、枚方市には野外活動センターやスポーツ施設など様々な場所がありますし、淀川河川敷を生かしたイベントも、町なかでは珍しい枚方オリジナルの取組もございます。地域資源を生かして人々の交流が盛んなまちを目標にするのであれば、若者も含めた幅広い世代をターゲットにして、様々な交流の機会を創出し、にぎわいの創出だけでなく、市への愛着、定住促進に向けてつなげていただくよう要望いたします。
5.市民によるまちづくり活動の活発化について
松本佑介:質問
市民によるまちづくりに対する支援として、主にどのような取組をされているのか教えてください。
市長公室長:答弁
市民によるまちづくり活動に対する支援の主な取組としましては、校区コミュニティ協議会が行う様々なまちづくり活動に対する支援としまして、校区コミュニティ活動補助金を交付しております。
また、NPOへの支援として、市内NPO団体の活動支援を行っているひらかた市民活動支援センターに委託し、NPO団体の情報発信や運営相談、市民活動の担い手育成を図る学生対象のボランティア体験事業を実施しております。
松本佑介:質問
校区コミュニティ協議会やNPO団体の御支援はしっかり理解いたしました。
あと、ボランティアについても言及しておられたと思いますが、ボランティアの体験事業について、学生対象の分について、これまでの実績と今年度の予定について教えていただけますでしょうか。
市長公室長:答弁
ボランティア体験事業につきましては、令和4年度から学生の夏休みと春休みの時期に実施しており、市内の中・高・大学生などがNPO団体が実施するプログラムに参加されております。夏休みには10のプログラムに56名、春休みには11のプログラムに101名が参加し、特に中学生、高校生の参加が多く、大学生が少ないという状況でございました。
今年度につきましては、NPO団体以外に校区コミュニティ協議会が実施されている活動にも拡大し、夏休みにつきましては合計23のプログラムを予定しており、春休みにも実施する予定としております。
松本佑介:提案・要望
こちらについても私が実際にまちの方から寄せられた御意見、お声を御参考に御紹介させていただきますと、実は大学でボランティアサークルの数って増えているらしいのです。そのボランティアサークルの方に私はお会いして、お話もお聞きしたのですけれども、学生はボランティアの場所を探しているというようなお声をお聞きしました。これまで、学生をまちづくりにつなげていくというのは、多分多くの方がお考えになってきたと思いますけれども、ちょうど大学生がボランティアを探しているというのは、これは本当にポジティブな情報だと思いますので、ぜひ大学のそういうサークルに直接アプローチする方法を考えていただいて、若者をまちづくりに参画していただいて、そのまま枚方に定住を促進するというアイデアを進めていただければと思います。
6.職員提案制度の活用状況について
松本佑介:質問
職員提案制度を活用した提案件数など取組状況について教えてください。
総合政策部長:答弁
職員提案制度は、平成元年からスタートし、制度の活性化を図るため、これまでから制度の改善を重ねており、令和2年度には若手・中堅職員5人のチーム員で構成する職員提案制度検討プロジェクトチームにおいて、実現性の向上に向けた検討体制の整備など新たな制度の検討を行い、令和3年度から新制度を試行実施し、今年度から、その結果を踏まえて本格実施しております。
提案件数については、直近では令和2年度が13件、令和3年度が10件、令和4年度が4件で、このうち実施に至った提案は5件となっております。
松本佑介:質問
提案件数がどんどん落ちているのが気になります。職員提案を活性化させるために行っている取組があれば教えてください。
総合政策部長:答弁
提案件数の増加に向けた取組といたしましては、いただいた提案についてプロジェクトチーム等の検討グループで提案内容のブラッシュアップを図り、実現性の向上を図るよう検討を行うとともに、実施に至った提案については市長表彰を実施しております。これにより、提案者の豊かな発想を市の施策につなげることができ、職員がさらなる業務の改善に取り組むインセンティブとなると考えております。
あわせて、制度周知についても職員提案ニュースを発行し、審査の流れや実現に至った提案を掲載しているほか、今後の行政運営を担う新入職員に対し研修で制度の紹介を行うなどの取組を行っております。
松本佑介:提案・要望
仕組みについて理解いたしました。
私は、何よりもまず、日々の職場における職員が意見を言いやすい風土づくりが大事だと考えております。どこでもそうなのですけれども、昔からあるような組織では、若い人が新しい意見を言いにくいというのはやっぱりあると思います。これは変えていくのはトップからのメッセージであったり、上の高い役職の人たちの振る舞いだと思いますので、ぜひぜひ皆様、私もそうですけれども、新しいアイデアをどんどん出して、それが称賛されるような職場づくりをしていきたいと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
7.職員数の適正化の状況について
松本佑介:質問
枚方市における新卒採用の職種や採用する人数をどのように決定されているのかをお聞かせください。
総務部長:答弁
まず、組織を形成、運営を行うに当たりまして、職員の年齢構成バランスや技術の継承といった観点は重要であると考えておりまして、新規採用を行うに当たりましては、再任用職員の更新限度者等、退職者補充のほか、民間活力やDXの推進等による事務の効率化による取組の効果、時間外勤務が顕著な職場への対応に加えまして、新たな行政需要への対応などによる事務量の増減などを踏まえまして、職種ごとに募集人数を決定しているところでございます。
松本佑介:提案・要望
新規採用を増減させることによって職員数をコントロールする方法、これは10年くらい前から様々な団体で使われていて、実はこの手法でやっていくと組織の年齢構成がいびつになっていくというデメリットがあるというのも知られ始めてきています。
確かに、今、職員数を適正化するという施策があるのは存じ上げておりますけれども、この手法でやっていってしまうと、いずれは、人口ピラミッドと同じですね、人口ピラミッドが三角形から釣鐘型に変わっていくということがこの市役所の中でも起きてくるという事態が容易に想定されますので、それがもう現に起こってからでは遅いので、今のうちから、それに対する対応策をどうしたらいいのかというのを御検討いただければと思います。
職員数の適正化を進めていく上では、採用数、人を減らすというところと、もう一つ、やはり絶対大事なのが業務の効率化、削減というところも大事だと思います。これのスピードが両方とも同じスピードで走っていないと、職員だけが減っていて、職員が大変苦しい思いをなさることになると思います。今、業務の効率化というところにつきましては、スマート自治体ですとか、行政のICT化というところが進められていると思いますけれども、システム構築というのはやはり時間がかかっていきますので、この辺りについてスピードがずれがないようにぜひぜひ御検討をお願いできればと思います。
8.民間委託の推進状況について
松本佑介:質問
民間委託の推進状況について教えてください。
総合政策部長:答弁
行財政改革プラン2020における民間活力の活用に関する課題の主な取組としまして、東部公園への指定管理者制度の導入や、ごみ収集業務体制の見直し、PFSを活用した介護予防事業の実施、留守家庭児童会室と放課後子ども教室の総合的かつ効果的、効率的な運営、民間施設を活用した水泳授業などの取組実績がございます。
松本佑介:提案・要望
もうこれは私が改めて申し上げるまでもないかもしれませんけれども、民間委託は進めていくと、一見すると人件費が削減されます。これはそれでよいと判断する方もいらっしゃるかもしれませんが、その分、委託費は増えます。結局、人件費が減った分だけ委託費が増えるということになると、これは何をやっているのか分からないことになってしまいますので、もし民間委託を進めるのであれば、外部知見を活用して市役所でできないものができるようになるとか、そういった理由があるときには、これは推進してもよいと思いますけれども、単純に人件費削減という目的だけでやるのであれば、それは本当に委託費も含めてトータルで削減されているのか、そこまでつながっているのかというところも御検証の上、進めていただくようお願いいたします。
※市議会での発言内容の要旨を項目ごとに整理して記載していますので、発言の全文については 枚方市議会の会議録 をご覧ください。